ドラクエ9 ある小学生の物語 第2話

弟が目に涙を浮かべているのを見て

「お前が先にクリアしていいよ。おにいちゃんはその後にできればいいから」

と、優しい兄は身を引いた・・・。


その弟想いの行動が、人生を狂わせていくきっかけになろうとは
誰も知る由もなかった。





7月13日(月)、ドラクエ9発売後、初めての登校日。

クラスはドラクエの話題で持ち切り。

「今レベルいくつ?!錬金やった?!転職した?!」

などの会話が教室のあちこちで飛び交う。



クラスでは「ゲーム博士」と呼ばれていた兄だったが、

当然その話題には入れない。



クラスの片隅でひとり蚊帳の外。



仲の良かった友人たちと徐々に距離が開いていく。



そんなひょんなことをきっかけに、孤独感・疎外感を感じるようになり、
その結果、学校を休みがちになり、とうとういじめを受けるようになっていく・・・



あれほど仲が良かった兄弟の関係も次第に崩れいていく。




つづく かも